宮城県は、東京から約300km北東、東北地方の南東部、太平洋に臨む。県庁所在地は仙台市。
 県中央の平野部を東北新幹線、JR東北本線、東北自動車道が縦貫するほか、JR石巻線、陸羽東線、仙山線などが通る。南部の東北自動車道村田ジャンクションより山形自動車道が県内を横断している。
 東は太平洋に面し、豊かな漁場と日本三景の一つ松島をはじめとする風光明媚な観光地などに恵まれる。西部には奥羽山脈および栗駒山、船形山、蔵王山を噴出する那須火山帯がある。中央部は北上川、鳴瀬川、阿武隈川などが流れる有数の穀倉地である仙台平野と丘陵地からなる。南部には阿武隈高地、東部は北上高地南端部と牡鹿半島が突出。北半の海岸は典型的なリアス海岸で南半は砂浜の仙台湾岸となっている。
 現在の県域は、古墳時代からヤマト王権の影響下にあり、雷神山古墳など多数の古墳がつくられた。のちに陸奥国府と鎮守府である多賀城が置かれ、中世には大崎氏や葛西氏、留守氏、国分氏などが割拠。その後、伊達政宗が仙台城を築き、江戸時代の間は伊達氏の仙台藩が治めた。明治時代の廃藩置県に前後して登米県、石巻県、胆沢県、角田県、仙台県などが成立して県域の分合がたびたび行われ、1872(明治5)年に仙台県が宮城県へ改称。1876(明治9)年に現在の宮城県の領域がほぼ形作られた。
 米、野菜の生産が多く、名取川の自然堤防上では施設園芸が行なわれる。山地には早くから牧馬が発達したが、畜産に転換したところが多い。三陸漁場に近く、気仙沼、石巻、塩釜、女川などの漁港があり、サンマ、マグロ、カツオの水揚げとカキ、ノリ,ワカメの養殖が盛ん。工業は水産加工、乳製品、味噌、醤油、和紙、漆器、こけしなどの地場産業と、仙台湾新産業都市を中心とする仙塩地区の近代工業(機械、石油精製など)がおこなわれている。
 太平洋岸の気仙沼以北は三陸復興国立公園、以南は南三陸金華山国定公園に属し、ほかに栗駒国定公園、蔵王国定公園、日本三景の一つ松島を含む松島県立自然公園、旭山県立自然公園、蔵王高原県立自然公園、二口峡谷県立自然公園、気仙沼県立自然公園、船形連峰県立自然公園、硯上山万石浦県立自然公園、阿武隈渓谷県立自然公園などがある。山岳、渓谷、温泉、海岸などの景勝地に富む。

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宮城県内の資源一覧

鎌先温泉の写真

写真提供:白石市

鎌先温泉 ( 宮城県 白石市 )

東北新幹線白石蔵王駅から約8kmにある、むかしながらの湯治場の雰囲気を残す山あいの温泉である。歴史は古く1428(正長元)年、白石の農夫がきこりの作業中に渇を覚え、鎌の先で岩角をうかがったところ湯が湧き出したので、これを鎌先温泉と名づけたと伝えられている。昔から「キズに鎌先」と言われ、奥羽の薬湯として知られていた。最近では...

白石温麺の写真

写真提供:株式会社きちみ製麺

白石温麺 ( 宮城県 白石市 )

白石の特産品で、東北を代表する麺の一つ。温麺はうーめんと読む。1689(元禄2)年、胃を病む父に、息子が油を使わない麺を作って食べさせたところ回復したことが発祥と伝わる。18世紀には、温麺が伊達藩から諸大名家への進物として使われていたことが文献にも残っている。  三寸(約9cm)という短さが特徴で、原料は小麦粉と塩水のみ。現...

伊豆沼・内沼・蕪栗沼・化女沼の渡り鳥の写真

伊豆沼・内沼・蕪栗沼・化女沼の渡り鳥 ( 宮城県 栗原市 / 宮城県 登米市 / 宮城県 大崎市 )

伊豆沼・内沼は、栗原市と登米市にまたがる県内最大の淡水湖沼で、毎年冬には2,000羽から3,000羽のオオハクチョウが飛来する日本最大級の越冬地である。また、マガンも毎年数万羽が越冬のため飛来し、冬の風物詩となっている。  伊豆沼・内沼は1985(昭和60)年9月に日本で2番目のラムサール条約湿地に登録された。その後、2005年に蕪栗沼...

登米町の歴史的建造物群の写真

登米町の歴史的建造物群 ( 宮城県 登米市 )

登米市(とめし)登米町(とよままち)*は県北部に位置し、北上川がまちの東端を流れる。北上川の舟運で発達しただけに、鉄道からの便は悪く、仙台駅から高速バスを利用して約90分、三陸自動車道登米ICから約4分である。  藩政時代、伊達一門の登米伊達2万1千石の城下町として栄え、明治維新後は北上川の舟運による米などの集散地として繁...

鳴子峡の写真

鳴子峡 ( 宮城県 大崎市 )

JR陸羽東線鳴子温泉駅の西2kmほどにある。江合川の支流、大谷川の清流に沿った鳴子峡入口の大谷橋から中山平入口までのおよそ2.5kmにわたる渓谷。大谷川が浸食してつくったV字谷、曲りくねった遊歩道の両側は高さ100mほどの断崖絶壁で、猿の手掛岩・屏風岩・虫喰岩などの奇岩が次々と展開する。特に新緑、10月下旬から11月上旬の紅葉のころは...

日本こけし館の写真

写真提供:日本こけし館

日本こけし館 ( 宮城県 大崎市 )

JR陸羽東線鳴子温泉駅の西方、鳴子峡入口近くの鳴子公園内にある。開館は1975(昭和50)年。童話作家・故深沢要氏のコレクションを中心に、毎年、鳴子温泉で行われる全国こけしまつりに奉納されたこけしなどを加え、収蔵品と展示品を合わせると約1万本のこけしを所有している。  鳴子温泉は、最も古いこけしの産地だと言われている。こけし...

旧有備館および庭園の写真

写真提供:大崎市教育委員会

旧有備館および庭園 ( 宮城県 大崎市 )

JR陸羽東線有備館駅を出てすぐ、静かな住宅街の中にある。江戸時代の仙台藩家臣である岩出山伊達家が開設した郷学(学問所)である。開校は岩出山伊達家十代邦直が当主の1850(嘉永3)年ころと考えられ、岩出山城本丸の北側にあった隠居所・下屋敷の敷地内に開設された。現存する有備館の「御改所(主屋)」は庭園の池に面して立つ建物で、岩...

鳴子温泉の写真

鳴子温泉 ( 宮城県 大崎市 )

東北新幹線古川駅で陸羽東線に乗り換え、約45分の鳴子温泉郷の中心である鳴子温泉は、荒雄川の川岸に鳴子温泉駅を中心に半円を描くように広がっている。駅前に温泉街が開け、近代的な旅館や古風な旅館、みやげ物店、こけし工人の店が立ち並んでいる。  鳴子温泉は、837(承和4)年、鳴子火山の爆発によって生まれた。寿永・文治年間(1182...

多賀城跡附寺跡の写真

写真提供:多賀城市教育委員会

多賀城跡附寺跡 ( 宮城県 多賀城市 )

JR東北本線国府多賀城駅の北西約800m、仙台平野を一望できる松島丘陵の先端一帯が多賀城跡である。多賀城は奈良・平安時代に置かれた陸奥国の国府であり、多賀城跡は奈良県の平城京跡、福岡県の太宰府跡と並ぶ日本三大遺跡の一つ。江戸時代初期に多賀城碑*が発見され、この場所が多賀城跡であることが判明した。1922(大正11)年に多賀城廃...

東北歴史博物館の写真

写真提供:東北歴史博物館

東北歴史博物館 ( 宮城県 多賀城市 )

JR東北本線国府多賀城駅の南隣にある。1999(平成11)年、宮城県だけでなく東北地方全域の歴史と文化を世界に発信することを目的に、東北歴史資料館を発展させた県立博物館として開館した。  1階の総合展示室では、旧石器時代から近現代までの東北の歴史を、時代別に9つのコーナーに分けて展示。仙台湾の貝塚や多賀城跡出土品が充実してい...

村田の町並みの写真

村田の町並み ( 宮城県 村田町 )

JR東北本線大河原駅から約9km。宮城県南部に位置する村田町は、江戸時代、江戸から仙台へむかう奥州街道と、仙台から山形へ抜ける笹谷街道とを結ぶ、羽前街道の脇往還の宿場として賑わいを見せた。  村田商人は、仙台藩内で栽培された紅花や藍を仙南地方で買い集め、上方や江戸に運んでいた。買い集めた紅花は山形の最上紅花に対して、奥州...

青根温泉の写真

写真提供:宮城県柴田郡川崎町

青根温泉 ( 宮城県 川崎町 )

JR白石蔵王駅から車で約50分、遠刈田温泉から車で約10分の花房山の中腹、標高500mにある。1528(大永8・享禄元)年開湯と伝わる長い歴史のある温泉地で、湯神様とも呼ばれる水分(みくまり)神社と、頂には薬師如来を祀る湯神神社がある。旅館は8軒。そのうちの1軒の湯元不忘閣は、歴代の伊達家仙台藩主や文人たちが足を運んだ名湯である。 ...

峩々温泉の写真

写真提供:峩々温泉

峩々温泉 ( 宮城県 川崎町 )

青根温泉から西へ約8km、標高850mの蔵王山麓の濁川の谷にある一軒宿。登山者や湯治客が多かったが、近年は秘湯の湯でゆっくりと保養を求める人が増えている。山ザクラ、紅葉、雪景色と四季折々の自然を楽しめる。  嘉永年間(1648~1653年)に自噴する温泉が発見され、古くから胃腸病の名湯として知られる。1875(明治8)年に旅館業の認可...

秋保大滝の写真

写真提供:公益財団法人仙台観光国際協会

秋保大滝 ( 宮城県 仙台市 )

国指定の名勝で、「日本の滝百選」に選ばれている秋保大滝。秋保温泉から西へ約14km、山形県立石寺(りっしゃくじ)の奥の院といわれる秋保大滝不動堂*の裏手に滝見台がある。深い木立の中、落差約55m、幅約6mで流れ落ちる滝は水量が多く、滝の白いしぶきと周囲の新緑あるいは紅葉となる時期にはいっそう映える。この滝見台のほかに、秋保大...

磐司岩の写真

写真提供:秋保・里センター

磐司岩 ( 宮城県 仙台市 )

秋保温泉から西へ22km、太白区秋保町馬場岳山国有林内の二口峡谷の最奥にある磐司岩は、名取川沿いの凝灰岩・集塊岩からなる岩壁である。その表面を落ちる多数の滝の浸食で現われた柱状節理が高さ80~150m、長さ3kmにわたって屏風を立てめぐらしたように連立する姿は豪壮そのもの。名取川の南側には、日陰磐司(ひかげばんじ)や日陽磐司(ひ...

大崎八幡宮の写真

写真提供:大崎八幡宮

大崎八幡宮 ( 宮城県 仙台市 )

仙台城跡の北方、青葉山の緑が望める丘陵地に鎮座する。石鳥居*をくぐって急な石段を一直線に上り、老杉が茂る境内広場に出ると、門のような長床*が構え、その奥に社殿*が立つ。  1604(慶長9)年、伊達政宗によって仙台藩総鎮守として創建。社殿は、1607(慶長12)年に建造された日本最古の桃山様式建築で、1952(昭和27)年に国宝に指...

仙台城跡 の写真

仙台城跡  ( 宮城県 仙台市 )

仙台城は、仙台藩初代藩主、伊達政宗によって造営された。仙台駅から青葉通りを西へ進み、広瀬川に架かる大橋を渡ったところに大規模なその城跡が残っている。本丸跡の標高は115m、本丸跡の最高所(天守台)は標高143mである。仙台市街を一望に見下ろし、遠く太平洋も望める景勝地の青葉山丘陵に城跡を残す。本丸の南は深さ80mを超える竜の口...

仙台七夕まつりの写真

仙台七夕まつり ( 宮城県 仙台市 )

七夕は日本で古くから行われてきた伝統行事である。近年は、くす玉や吹き流しなどの飾りがいっそう豪華になっており、その豪華さの筆頭が、東北三大祭り*の一つにも数えられている仙台七夕まつりである。仙台市中心部及び周辺の地域商店街では、商店がそれぞれに趣向を凝らした飾りつけをして、その豪華絢爛さを競い合う。七夕の期間は毎年8...

輪王寺の写真

写真提供:輪王寺

輪王寺 ( 宮城県 仙台市 )

仙台駅から西へ約1km、寺屋敷の続く通りの一角にある。輪王寺は1441(嘉吉元)年、伊達家11代当主持宗によって創建された、東北有数の庭園をもつ曹洞宗の寺院。起源は福島県梁川だが、伊達家の居城の移転にともない移転を繰り返し、1602(慶長7)年に現在の地に定まった。1876(明治9)年に、仁王門のみを残し全焼。以降荒廃した輪王寺を、19...

瑞鳳殿の写真

写真提供:瑞鳳殿

瑞鳳殿 ( 宮城県 仙台市 )

仙台駅の西南、広瀬川が大きく屈曲する右岸の経ヶ峯(きょうがみね)にある。廟所に至る石組の美しい石段と、両側に樹齢380余年にもなる杉の巨木がそそり立つ参道が伊達家栄華の一端を伝える。石段登り口に瑞鳳寺*の本堂があり、向かい側に伊達家公子公女廟、通称「お子様御廟」がある。  1636(寛永13)年生涯を閉じた伊達氏17世・仙台藩初...

仙台うみの杜水族館の写真

写真提供:仙台うみの杜水族館

仙台うみの杜水族館 ( 宮城県 仙台市 )

2015(平成27)年7月宮城野区に開館。同年5月に閉館したマリンピア松島水族館から生き物や飼育員の多くを引き継ぎ、運営は株式会社横浜八景島が担う。約100基の水槽、総水量約3,000t、延床面積は約9,900m2、300種5万点を展示する東北最大級の水族館。日本の海や世界の海を再現する。  1階が「日本のうみー東北のうみー」。親潮...

仙台市の牛たんの写真

写真提供:仙台牛たん振興会

仙台市の牛たん ( 宮城県 仙台市 )

牛たん発祥の店は「味太助」といわれる。「味太助」の初代佐野啓四郎が、1948(昭和23)年、仙台市中心部に牛たん焼きの専門店を開き、全国にその味を広めた。牛たんといえば塩味が定番だが、この「牛たんしお味」を考案したのが佐野氏である。以降、仙台に多くの牛たん専門店が誕生していった。そして昭和50年代に入ると「味の牛たん喜助」...

金華山黄金山神社の写真

金華山黄金山神社 ( 宮城県 石巻市 )

鮎川から毎日曜日に船が運行され、金華山まで20分。それ以外の曜日でも、予約をすれば海上タクシーで、人数によっては定期船とそれほど違わない料金で行くことができる。女川港からも金華山へ毎日曜日・祝日1便運行し、約40分で到着する。  牡鹿半島の南突端に、幅800mの金華山瀬戸をはさんで浮かぶ東西約4km、南北約5kmの角錐状の島。中央...

日和山公園の写真

写真提供:石巻市

日和山公園 ( 宮城県 石巻市 )

日和山*は石巻市内中心部、旧北上川の河口に位置する、石巻港や太平洋まで見渡せる丘陵地。頂上には、780(宝亀11)年創建と 伝わる鹿嶋御児神社がある。また、ここは中世後期には、東西約400m、南北約500mにかけて、奥州総奉行葛西氏の城域だったとも言われている。  1689(元禄2)年には、松尾芭蕉と弟子の河合曾良が訪れ、ここから眺...

松島の写真

松島 ( 宮城県 松島町 / 宮城県 利府町 / 宮城県 塩竈市 / 宮城県 東松島市 / 宮城県 七ヶ浜町 )

湖のように波静かな松島湾に浮かぶ八百八島と呼ばれる大小、約260の島々。その景観を松尾芭蕉が『おくのほそ道』で「扶桑第一の好風にして」と絶賛した、江戸時代に選定された日本三景*の一つである。現在、広い意味で松島と呼ばれる地域は、七ヶ浜町の御殿崎から松島湾をへだてて東松島市波島の南端とを結ぶ線と、鳴瀬川河口右岸から波島東...

瑞巌寺の写真

写真提供:瑞巌寺

瑞巌寺 ( 宮城県 松島町 )

JR仙石線松島海岸駅より北北東方向に向かって徒歩で10分ほどの、松島海岸から国道45号線を挟んだ北側に位置する。  伊達政宗が創建した菩提寺として知られる古刹。正式名称は「松島青龍山瑞巌円福禅寺」という。  828(天長5)年、平安時代初期に、比叡山延暦寺第3代座主・慈覚大師円仁により開創された天台宗延福寺がその前身と伝わる。...

松島湾のカキ料理の写真

松島湾のカキ料理 ( 宮城県 松島町 / 宮城県 塩竈市 / 宮城県 東松島市 / 宮城県 七ヶ浜町 / 宮城県 利府町 )

秋が訪れると、松島湾には多くの筏が浮かぶ風景が見られる。カキ養殖の季節である。松島湾は潮の流れが良好で、波静かな湾は養殖に適し、およそ300年前からカキの養殖は始まったと言われているが、そのころは、カキが育ちそうな場所にカキ殻や子供の貝をまくという簡単な方法だった。今のようにカキ棚を使う養殖が始まったのは、1926(大正15...

白石川堤の桜(一目千本桜)の写真

白石川堤の桜(一目千本桜) ( 宮城県 柴田町 / 宮城県 大河原町 )

JR東北本線船岡駅から徒歩3分、白石川堤に一目千本桜と呼ばれるみごとな桜並木が、大河原町金ケ瀬地区から柴田町船岡地区まで8kmにわたって続く。  白石川堤の桜は、堤防竣工のしらせを聞いた東京で成功した髙山開治郎が、大正末期から昭和初期に東京から植木職人を同伴し、町の職人とともに白石川の堤防に桜の苗木1,200本を寄贈し、自ら植...

芝草平の写真

芝草平 ( 宮城県 七ヶ宿町 )

南蔵王縦走コースの中間に位置する。標高1620m、面積約100万m2の蔵王連峰唯一の湿原である。登山口は、蔵王エコーラインの刈田岳駐車場から往復で約7時間(休憩・昼食含む)の日帰りのできるコースからの登山が多い。もう一つのコースは、白石スキー場駐車場から、不忘山と水引入道の二つのルートから屏風岳を経て、芝草平に達す...

巨釜半造の写真

写真提供:一般社団法人気仙沼市観光協会 唐桑支部

巨釜半造 ( 宮城県 気仙沼市 )

宮城県の最北東に位置する唐桑半島の東岸、前田浜を境に、湾入部の北を巨釜、南を半造と称する三陸復興国立公園の名勝の一つ。石灰岩が海蝕されてできた奇岩・怪石が連なる景勝地であり、巨釜と半造を結ぶ遊歩道が整備されている。  巨釜は波が暗礁によって複雑な流れ方をし、釜の中で湯が沸き立つ様子から名付けられた。半造は海食洞が多...

気仙沼港の写真

気仙沼港 ( 宮城県 気仙沼市 )

リアス式海岸の湾奥に位置する気仙沼港は、1930(昭和5)年に開港。特定第3種漁港で、1,685mの岸壁に、1000t岸壁3バースと、5000t岸壁3バースをもつ。三陸沖を操業域とする漁船の主要な水揚げ港の一つであると同時に、日本の遠洋漁業(主にマグロ)の基地の一つになっている。カツオ、サメ類、サンマ、カジキ類、マグロなどの水揚げがあり...

気仙沼のフカヒレ料理の写真

写真提供:気仙沼観光推進機構

気仙沼のフカヒレ料理 ( 宮城県 気仙沼市 )

気仙沼でフカヒレが作られるようになったのは江戸時代とされる。当時は地元用でなく中国への輸出用で、金・銀・銅の代わりになるくらい貴重なものだった。気仙沼でサメの水揚げ量が多いのは、近海マグロの延縄漁業が盛んで、サメは、えさにつられてやってくるマグロを追ってきて、マグロとともにこの仕掛けに引っかかってしまうからである。...

リアス・アーク美術館の写真

リアス・アーク美術館 ( 宮城県 気仙沼市 )

JR気仙沼駅の南、車で20分ほどの場所にある。1994(平成6)年に開館したリアス・アーク美術館は、主に東北・北海道の現代美術を紹介すると同時に、地域の歴史・民俗資料を常設展示し、博物館としての一面を併せもつ。気仙沼市と南三陸町で構成する気仙沼・本吉地域広域行政事務組合が管理運営している。  展示は2フロアに分かれており、1階...

徳仙丈山のツツジの写真

写真提供:一般社団法人気仙沼市観光協会

徳仙丈山のツツジ ( 宮城県 気仙沼市 )

徳仙丈山は岩手県境に近い、気仙沼市にある標高711mの山。5月中旬になると、全山がヤマツツジとレンゲツツジにおおわれ、文字通りツツジの山となる。約50万m2に50万本ほどのツツジがあるともいわれ、日本最大級のツツジの名所である。北側と南側の駐車場、どちらから登っても40分ほどで山頂に立てる。  山頂からは真っ赤なツツ...

竹駒神社の写真

竹駒神社 ( 宮城県 岩沼市 )

岩沼駅の南1kmにある。古くから五穀豊穣・商売繁盛の神として信仰を集め、多くの人びとが参拝に訪れる。特に旧暦2月初午の日から7日間、初午大祭で賑わう。期間中の日曜日(又は土曜日)には、神輿渡御がある。  842(承和9)年、小野篁*が陸奥の国守に赴任の折、奥州鎮護祈願として稲荷明神を勧請したのが始まりとされる。1537(天文6)...

志波彦神社・鹽竈神社の写真

写真提供:志波彦神社・鹽竈神社

志波彦神社・鹽竈神社 ( 宮城県 塩竈市 )

JR仙石線本塩釜駅から西へ東参道を通り徒歩15分、またはJR東北本線塩釜駅から表参道経由で徒歩25分の場所にある。  鹽竈神社は奥州一ノ宮として名高く、杉木立におおわれる一森(いちもり)山の頂、松島の島々や遠く金華山を眺望できる地に鎮座する。表参道からは石鳥居をくぐり、一直線で急勾配の202段の石段を登り切ってたどり着く。その...

浦戸諸島のノリひび(海苔網)・カキ棚の風景の写真

写真提供:塩竈市

浦戸諸島のノリひび(海苔網)・カキ棚の風景 ( 宮城県 塩竈市 )

浦戸諸島は、松島湾の南に桂島、野々島、寒風沢(さぶさわ)島、朴(ほう)島の4島*の有人島と多数の無人島で構成される。これらの島々が湾の入り口に横たわるので、松島湾はいつも波が静かである。  浦戸諸島周辺は、時期になるとノリとカキ養殖の風景が見られる。ノリ養殖が行われるのは9月~1月ころで、松島湾、石巻湾、仙台湾で養殖さ...

塩竈みなと祭の写真

塩竈みなと祭 ( 宮城県 塩竈市 )

鹽竈神社と志波彦神社の各神輿がともに海上を渡御する、塩竈市を代表する大きな祭り。神社を出発後、表坂を下り、市内を練り歩き、西埠頭から海上へ。志波彦神社のものは龍鳳丸*に、鹽竈神社の神輿は御座船鳳凰丸に奉安され、五色の吹流し、旗差物を飾り立てた供奉船団、神楽船、大漁唄い込み船など約80艘を従え、2艘の御座船は代ヶ崎で分か...

定禅寺通のケヤキ並木の写真

写真提供:公益財団法人仙台観光国際協会

定禅寺通のケヤキ並木 ( 宮城県 仙台市 )

ケヤキは宮城県の県木、仙台市の市木になっている。「杜(もり)の都*・仙台」では、ケヤキを街路樹として植栽している通りがあり、なかでも定禅寺通のケヤキ並木は、緑美しい風格あるものになっている。  地下鉄南北線勾当台公園駅を出てすぐの勾当台公園から西公園を結ぶ約700mの定禅寺通には、4列の美しいケヤキ並木があり、「日本の道...

地底の森ミュージアムの写真

地底の森ミュージアム ( 宮城県 仙台市 )

仙台市の東南部、地下鉄南北線長町南駅から西へ徒歩5分のところにある。旧石器時代を中心にしたテーマミュージアムであり、1996(平成8)年に開館した。正式名称は、仙台市富沢遺跡保存館である。  富沢遺跡は、氷河期にあたる2万年前の湿地林跡の一角で、当時の人類が活動した痕跡が発見された、世界的にも貴重な遺跡である。地底の森ミュ...

仙台東照宮の写真

写真提供:仙台東照宮

仙台東照宮 ( 宮城県 仙台市 )

仙台市青葉区、JR仙山線東照宮駅の北約200mのところにある。1654(承応3)年、仙台藩2代藩主伊達忠宗が建立した徳川家康を祀る神社。伊達藩の威信をかけて造られたこの仙台東照宮は、忠宗が数々の寺社を建造している中で、晩年を代表する大事業となった。  日光東照宮の建築様式である権現造ではなく、本殿と拝殿が別棟になっていることが...

大徳寺(横山不動尊)の写真

大徳寺(横山不動尊) ( 宮城県 登米市 )

JR気仙沼線陸前横山駅の西方約500mにある。寺伝では、保元年間(1156~1159)年、南三陸町の水戸辺浜に百済から流れついた仏像を安置したのが始まりといわれ、3mほどもあるカツラ材の寄木造りの不動明王の胎内に5cmほどの純金の本尊、不動明王を安置する。本像の制作時期は平安時代まで遡ることができ、1997(平成9)年、国の重要文化財にな...

登米能の写真

登米能 ( 宮城県 登米市 )

歴史的建造物が多い登米町の中心街から、北西の方向約350mに伝統芸能伝承館「森舞台」がある。1996(平成8)年に登米能をはじめ、「岡谷地南部神楽」や「とよま獅子」などの伝統芸能を伝承する拠点として造られた。森舞台は能舞台のほかに稽古場、能装束や能面など登米能に関する資料を有する展示室を備えている。建築家・隈研吾氏設計の竹林...

松島基地航空祭の写真

写真提供:航空自衛隊松島基地Webサイト

松島基地航空祭 ( 宮城県 東松島市 )

航空祭は、航空自衛隊を身近に感じてもらうことを目的として、各地で開催されるイベント。通常は間近で見られない航空機の展示や地上での装備品の展示などが行われる。  JR仙石線矢本駅から徒歩15分ほどに位置する航空自衛隊松島基地では、「松島基地航空祭」を例年8月下旬に開催する。なかでも、ブルーインパルスとして知られる、宮城県松...

材木岩の写真

材木岩 ( 宮城県 白石市 )

小原温泉から白石川を約5km遡った、七ヶ宿ダムの東にある。  材木岩は、高さ約65m、長さ約100mに及ぶ、石英安山岩の柱状節理で、1934(昭和9)年に国の天然記念物に指定された。柱状の岩が連なる絶景が広がり、秋には材木岩をとりまく紅葉が美しい。材木岩に沿って流れる白石川の河辺には、「水と石との語らいの公園(材木岩公園)」が整備...

円通院の写真

円通院 ( 宮城県 松島町 )

瑞巌寺の西隣にある伊達光宗*の廟所。別名バラの寺*ともいう。小堀遠州作ともいわれる庭の一番奥まったところに、三慧殿という御霊屋(おたまや)が立つ。廟は1646(正保3)年の建立。格式ある方三間(ほうさんげん)、宝形造(ほうぎょうづくり)本瓦葺きで、内部に家形厨子が安置され、馬上に束帯姿の光宗像が納められている。

蔵王山の写真

蔵王山 ( 山形県 上山市 / 宮城県 川崎町 )

奥羽山脈の南部に位置し、山形・宮城両県にまたがる南北約30kmの火山群の総称である。蔵王山という固有の山はなく、最高峰の熊野岳*をはじめとする多くの峰の連なりであり、蔵王連峰ともいう。那須火山帯に属し、旧火山群の南蔵王と新火山群の中央・北蔵王*に分けることができる。古来、刈田嶺(かつたみね)と呼ばれていたが、天武天皇の...